五十肩は温める?冷やす?
五十肩は温めるのか?それとも冷やすのか?といった質問がよくあります。
鍼灸師
の立場からいうと「鍼をすれば、そんなことしなくてもいい。」となりますが、それを言ってしまうと身も蓋もないので鍼やマッサージで治癒する過程から考えてみますと、
鍼は血行を良くし新陳代謝を促す
所にありますから、同様の理屈から血行が良くなるように温めた方がよいということになります。こう答えると次は必ず「じゃあ冷シップじゃなくて温シップがいいのか?」と聞かれます。これは名前がまぎらわしいので勘違いしますが、冷シップとはメンソールをねりこんで「冷たい感じがする」、温シップとはカプサイシン(とうがらし)をねりこんで「温かい感じがする」というだけで、実際に温めたり冷やしたりする効果はありません。シップに期待することは経皮鎮痛薬という正式名称からわかる通り消炎・鎮痛というその「薬効」のみです。保温を考えるのであればほかほかカイロのほうがまだいいです。しかし、五十肩というのは、肩の関節部だけでなく腕全体にまで炎症が起きている状態なので一部分だけ温めてもあまり効果はなく、お風呂で全身をしっかり温めることが一番効果があります。鍼灸院にこられる患者さんの場合、こんな議論は無駄なくらい重症化しているのがほとんどなので「そんなことは考えなくてよい」という答えに結局なってしまいますが・・・。ちなみに、プロ野球の投手が降板直後アイシングといってぐるぐる巻きで肩を冷やしているのを観ますが、これは、激しい運動のため筋肉が熱を持ったためすることで、マラソン選手が頭に水をかけて冷やしているのと同じ。五十肩の関節炎とは違いますのでマネはしない方がいいです。